お気楽さんとぐるんぐるんの病

台風一過。
敷地内に散乱する枝葉。
愛車の下には「空き巣に注意しましょう」の自治会防犯プレート。
お隣の老木は道路に倒れていた。
我が家の老犬はやはり黄昏ていた。
うん、自然ってすごい。
総評:お気楽さんは今日もごきげんに過ごしてみた


【お気楽さんとぐるんぐるんの病】


お気楽さんはここんとこ病に伏せっていた。
もう死体である。


兆候は確かにあった。
振り返ってみれば確かにありましたとも。


その1 肩・首がオカシイくらいに凝り始めた。
その2 「キーンッ!」一世を風靡したアラレちゃんの声が耳の奥で鳴り響いていた。
その3 「目ん玉が飛び出るのかっ!」の眼痛があった。
その4 砂漠のごとく乾いている喉なのにビールが美味しくない。


気づくべきであった。
ちょっと油断していた。


「ごきげんよーっ!」
メニエルさんの登場である。


ぐるんぐるん。ぐらんぐらん。
船酔い?車酔い?二日酔い?
うげえええええっ。
立っているのもツライほど揺れてます。


常備薬を飲む。
慌ててて飲む。(かなり慌ててます)
法に触れる薬のごとくむさぼるように飲む。


「…でも、速攻効かないのよね」
哀しい現実。
薬の血中濃度が上がれば、そして、一定になれば楽になる。
それが心のよりどころ。


移動するときは頭を固定する。
視線は一点見つめず、ぼおっと焦点定めない。
動作はゆっくり、超スローモーション。
それでも襲う「うえっぷ」吐気。
勘弁してくださあいっ!
ごめんなさいっ!
なんかわからないけど謝りますからっ!


散々やりたい放題した後。
「そろそろ、お暇しようかね。アデュー!」
立つ鳥跡を濁したままの退場。
さらばメニエルさん。
玄関に思いっきり塩をまく。
もう来ないでっ。
お願いだから来ないでっ。


思い出す、幼少の記録。
時は夏休み。
シケの瀬戸内海。
明石海峡から淡路島に向う船上。
楽しいはずの家族旅行。
抱えるバケツ。
首筋には冷たいタオル。
「もうすぐ着くから、吐いたら楽になるから」
母の励まし。
嘘つきっ!
ちっとも着かないじゃないかっ!
吐いても、吐いても、楽にならないじゃないかっ!
意識朦朧のまま港に到着。
意識朦朧のまま下船。
意識鮮明な眩暈と吐き気の記憶。


…うん、あの感じだな。
思い出したよ。


のど元過ぎれば熱さ忘れるお気楽さん。
ま、それはそれで生きる知恵ってやつ?


(ここんとこの読書)

カレーライフ

カレーライフ

1/2の埋葬 上 (RHブックス・プラス)

1/2の埋葬 上 (RHブックス・プラス)

1/2の埋葬 下 (ランダムハウス講談社文庫)

1/2の埋葬 下 (ランダムハウス講談社文庫)

(ここんとこのBGM)哀しいかなCDコンポに近寄る機会がほとんどなかったのだよ