お気楽さんと不死鳥の黄昏の老犬Ⅱ

ハンドベル練習日。
「日中は汗ばむ陽気でしょう」なのに
奏でる曲は「冬の旅」やら「ジングルベル・ロック」
超先取りでございます。
総評:お気楽さんは二の腕がぱんぱん


【お気楽さんと不死鳥の黄昏の老犬Ⅱ】

お気楽さんが頭をぶつけてフラフラな頃、
(あ、そうそうMRIの検査は無事クリア!)
黄昏の老犬もぶっ倒れた。
比喩でもなく、文字通りぶっ倒れたのだ。


少々ボケてもまったくもって無駄吠えしない黄昏の老犬が、
ぎゃうんっっ!!
ぎゃうんっっ!!


慌てて飛び出す。
首を左に傾けくの字にぶっ倒れている。
目玉が信じられない速度で左右に反復横跳び。
やばいっ!やばすぎる
脳梗塞脳出血?なんなのだーっ!


慌ててかかりつけの動物病院に電話。
息子ーっ!車だ!車を運転するのだあーっ!
顔面蒼白でコクコクうなずく息子。


診察。
「三半規管の異常か、脳梗塞か…。
MRIとればわかりますがなにぶん高齢ですし。
とりあえず点滴を毎日しましょう」
老犬に多い前庭疾患とやらの疑い濃厚。
500mlの点滴を皮下にぶち込む。
動かない。もう、ぐったり。


体がぴったりおさまる箱で暮らす。
だってすんごいめまいぐるぐるぐる状態で立てないし。
(わかるよ。メニエル持ちのお気楽さんだもの)


毎日点滴、毎日点滴


そして1週間。
目ん玉も落ち着いてきた。
でも、食べない。飲まない。
注射器で無理やり口に突っ込み、無理やりごっくん。
非常に嫌な顔をされますな。
お気楽さんもなんだか哀しくなってくるよ。


そして2週間も過ぎたころ、
不死鳥のごとくよみがえる!
すごいね、黄昏の老犬。
こう毎年毎年、彼岸に片足いや両足つっこんでまた戻ってくるとは。

ヨカッタ。


…でもね、よくないこともありました。
人生プラスマイナスゼロ。


ボケた。まったくもってボケた。
異常な食欲なくせに自分で召し上がらない。
「食べさせよ。食べさせるのだよ」
スプーンでお口にお運びいたしまする。
「水じゃ、水を持て」
はい、ただいま。
「ZZZ…」
あの、もう夕方でございますが。
「散歩じゃ、散歩に連れてゆけ」
殿ただいま夜中でございます。
「!?」
殿っなんちゅうところで粗相をなさいますか。


親の介護の前に老犬の介護。
ま、予行練習ってことにしておこう。


(本日の読書)

蒼の悔恨 (PHP文庫)

蒼の悔恨 (PHP文庫)

(本日のBGM)
Avenged Sevenfold

Avenged Sevenfold