お気楽さんと黄昏のボケジジイの老犬

日が暮れ出して冷え込みがキビシイ。
手足がもうかじかむ勢い。
ああ、超冷え性にはツライ季節がやってきた
総評:お気楽さんは今日もごきげん


【お気楽さんと黄昏のボケジジイの老犬】


ぱぱぱぱーんっ(ポケ○ンの進化するときの効果音をご想像ください)
黄昏の老犬はみごとな「ボケジジイ」に変化した!


何時ぞやの君は、「無駄吠え」を一切しなかった。
何時ぞやの君は、ウンチも決まった場所でしかしなかった。
何時ぞやの君は、日が昇ると起き、日が沈むと寝た。
何時ぞやの君は、ひとりの時間も好きそうだった。
そうっだたよね!?


今の君は何故、「ぎゃゆゆゆゆうう〜ん」不可解な声で不可解な時間に吠えるのか?
今の君は何故、オケツからウンチがはみ出た恥ずかしすぎる状態で歩きながら排泄するのか?
今の君は何故、まだ夜が明けきらぬうちに起きたり、夜の帳がとっぷり落ちても起きているのか?
今の君は何故、全身全霊で不可解な愛情を欲するのか?


…この状況はまさしく「ボケ」たのだな。


食欲は異常である。
なんでも食べる。
そう、なんでも。
お気楽さんの指も食べる勢い。
でも自分で食べない。
「スプーン」で食べさせろー!
自分で食べるのめんどくせー!
…こっちが面倒くさいわ。


体力も異常である。
(先日大脱走までやらかして自宅近くの溝にハマって泣いていた)
散歩も若かりし頃と同等いやそれ以上の時間要求する。
朝晩要求する。
散歩開始15分は、ヨロヨロヨボヨボ。
見知らぬ他人様が「…がんばれっ!」とエールを送ってくださる程だ。
…カタジケナイ。
中盤に差し掛かり、謎のスイッチが入る。
たったったっ。たったったっ。
軽やかなステップ。
小走りだってしちゃうぞっ。
そして終盤。
ペースを落とさぬままゴールを迎える。
…ゴールしましたが?
…ゴールしたのだよっ!
そのままひとり徘徊モード。
庭を左回りにぐるぐるぐる。(先の大病でこうなりました)
タッタカタッタカ、ビユンビユン、ダンッ(壁にぶち当たる音)
左回りはどんどん小さくなり
そのうち疲れてきてドテッと横になる。
…もう何がなんだか?


目も見えず、耳も遠くなり、鼻もきかなくなってきて、
死ぬかと思った大病をしたら、
こうなるかもねえ。
人間だったらさぞかし大変だろうなあ。
食欲山盛りでも自分で食べない。
足腰元気で朝に夜に徘徊三昧。
家の中、いつでもどこでもトイレに変身。
目も見えず、耳も聞こえず。
…今の状況、人間に変換したら気が重くなってきた。


でも、黄昏の老犬がいなくなってしまうことを想像しただけで
もう涙がでてきそうなのだよ。
生き物を飼うってことはこういうことなのだよね。


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